自分に対する自覚‐『最後の家族』
素晴らしい書評を三つ。
http://www.silverboy.com/silverboy/book0301.htm
http://rootwz.blog.drecom.jp/m/archive/279
http://marginalia.jp/?p=161
自分が本を日常的に読むきっかけとなった一冊。
こんなにも面白いものがあるのかと感激した覚えがあります。
それまではテレビゲームぐらいしか趣味がなく、無為な毎日に恐怖感を持ちつつも、どの恐怖感が何に由来するのか理解できず、何もできないでいる状態でした。
まさにこの小説の中の主人公の引きこもり状態に近く、普通の人に見えるだけで、「外出できる引きこもり」といった方が近い状態。この本が救ってくれたとまでは言いませんが、自分の人生について自覚的に考えるきっかけになりました。
この小説の中で、一家離散してもハッピーエンドに感じ、またそのことに説得力があるのは、自分に対して自覚的になれることが幸せの第一歩なのだということが一定の普遍性を持っているからなのではないでしょうか。
主人公家族がその「自分に対する自覚」を獲得していくまでの一連の物語は本当に快感です。是非読んでみて下さい。
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2001/09
- メディア: 単行本
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