本当に予備知識ゼロから読める簡単な難しい話。−『理性の限界』
素晴らしい書評は以下↓
不可能性・不確定性・不完全性 - 書評 - 理性の限界:
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51168486.html
理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性:
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/10/post-1099.html
囚人のジレンマ、ナッシュ均衡、ラプラスの悪魔、シュレーディンガーの猫、パラダイム論、チューリング・マシンtc・・・このような言葉を聞いたことがあるだろうか。上記の話は難しい話である。しかし、本書を読めば解る。解るというのは語感から遠いか。把握できると言った方が近いか。
まぁ、厳密な理解の定義は置いといて、とにかく上記の言葉が何を語ろうとしているのかが、本当に予備知識ゼロから理解できる良書。特に、「多数決は本当に合理的で正しい意思決定方法なの?」といったような日常からの地続きの問題として感じられるところがさらに読ませる。このテーマの中で「パウロスの全員当選モデル」という話があるのですがこれがまた吹き出してしまうくらい笑える。
「難しいことを難しくなく説明できるのが頭のいい人」という話をよく聞くが、著者はまさにそんな頭の良さを持った人なんだろう。著者は8年かけて本書を著したらしいが、そんな手の込んだ、読んでてゾクゾクする本が新書で740円。イイ意味で世も末である。
理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)
- 作者: 高橋昌一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/06/17
- メディア: 新書
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