無責任な女と不甲斐ない男の国−『結婚の条件』『結婚の才能』
素晴らしい書評は以下↓
[書評]「結婚の条件」小倉千加子:
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/01/post_19.html
[本]下流フェミニズム宣言:小倉千加子『結婚の条件』:
http://d.hatena.ne.jp/mickmack/20081228/1230443719
こんな記事が最近話題になりましたが↓
結婚と恋愛のレート
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20100822
総合職に就いても、女は結婚相手に経済的に依存して、自分は「生活のためではなく、自己実現のための」仕事を目指す生き物だということであった。「女は真面目に働きたいなんて思ってませんよ。しんどい仕事は男にさせて、自分は上澄みを吸って生きていこうとするんですよ。結婚と仕事と、要するにいいとこどりですよ」
この言葉に対して著者は、男女関係なく人間という生き物がそういう生き物であって、現状の日本社会では女がそれを可能性として持っているだけだと言っている。
こういう考え方に対して、ネットでは怒る男たちが散見されるが、多少、不甲斐ないと思う。自分個人としてはこういう人でもゼンゼンOKだ。というかそういうわがままごと押し通せる人間になりたい。(現状は不甲斐ない限りw)ただ、「みんなと同じレベル」とか、「社会一般と比べて問題ない程度」とか、責任の所在を外環境に依存しないで、自分自身の欲望として表明して欲しい。私は贅沢が好きだから、上澄み吸い吸い生活がしたいんだ。と言ってくれれば嬉しいと思う。
「ルパン三世」の峰不二子が理想という女性が書中に出てきたが、峰不二子は絶対に欲望の理由を他に依存しない。自分の責任として欲望を語る。だからこそルパン三世も夢中になるんだと思う。
「高卒女性が求める結婚=生存」「短大卒の女性が求める結婚=依存」「大卒女性の求める結婚=自己保存」など、圧倒的にわかりやすい。それゆえクソ真面目に受け取るとイタイことになるが(そもそも結婚というものを一般化しても個人に対してはあまり意味が無いと思うし。)、社会の雰囲気を感じるには非常に面白い良書。この面白さはベストセラーもうなずける。
- 作者: 小倉千加子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2003/11/14
- メディア: 単行本
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- 作者: 小倉千加子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/04/20
- メディア: 単行本
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