よくワカンネ。でもスゲ!−『G』

ブログでの良い書評が見当たらなかったので今回は2ちゃんねるからの引用。↓
でもまぁ、この解説は読んだ人向けの解説なので読んでない人は飛ばして下さい。

「G」の主人公トマクの意識が、死の草によって時間と空間を超え、
未来に転生した(2062年となってますね)自分自身である、
宇宙船にいるラザロと同調したんじゃないか、と自分は思っています。

「G」の前作である「ラザロ・フランコの午前4時」を読んでない人には
わかりづらいけど「G」って、短編集「ヘヴンズドア」に載ってる
「ラザロ・フランコの午前4時」と、ストーリーがつながっているんですよね。

この2つを両方とも読むと、ラザロとトマクは同一人物であるらしいとわかります。
(「G」の165Pで宇宙船のコージがラザロのことを「トマク・・」と呼んでいる。)
「ラザロ・フランコの午前4時」は「G」の続きにあたる話。
「G」のラストで集落を出たトマクが名前を変えてラザロとなり、
探し求めていた「俺の羊飼い」であるコージと出会う。
トマクを追いかけて集落を出たアゼベドは、ラザロ(トマク)を
連れ戻そうとするが失敗。(「ラザロ・フランコの午前4時」に出てくる
名前はないが、ラザロを追いかけているサングラスの男がアゼベドだと思う)

ストーリー的には「G」の続きが「ラザロ・フランコの午前4時」なんだけど、
実際に描かれた順番としては、「ラザロ・フランコの午前4時」のほうが
「G」より先に描かれているので、「G」に出てくる宇宙船のラザロとコージは、
前作である「ラザロ・フランコの午前4時」からインスパイアされた
キャラかもしれない。(「ラザロ・フランコの午前4時」は
現代の話なので、全くの同一人物だと時代的に辻褄があわない)

自分が思うに、実はラザロとコージは時代を超えて何度も転生していて、
「ラザロ・フランコの午前4時」に出てくるラザロとコージと、
「G」に出てくるラザロとコージは時代を超えて転生した
「同一人物」なのかもしれないとも思っている。
(そう考えると辻褄が合うんですよね・・・。)


『ウルトラヘブン』が面白かったので購入。
自己選択で世界は嘘になる-『ウルトラヘヴン
http://d.hatena.ne.jp/kojitya/20101124/1290553535


『ウルトラヘブン』ではドラッグによる意識変容を描いていたが、今回は意識そのものに迫ろうとしている感じ。


実際本当に読んでいてワケわからなかったのですが、なぜか飽きることなく読み進めてしまいました。もはや「考えるな!感じろ!」状態。わからなくても面白い。という所がスゴイ。セリフ一つ一つとっても深い意味があるのか、もしくは意味ありげなセリフで煙に巻いているのか、はたまた意味自体の放棄を表現しているのか。


絵の表現としては同著者の『ウルトラヘブン』に軍配が上がろうかと思いますが、芳しい煙にまかれてみたい方は是非。

G (Beam comix)

G (Beam comix)