本当の大人−『ムンバイなう』

素晴らしい書評は以下↓
http://www.cyzo.com/2010/08/post_5348.html


テキトー過ぎるインド人達に翻弄されるままをツイートした内容が本になったもの。

「インドの洗剤は、日本のものの3倍泡立ちがいいけど汚れが落ちずに色落ちします」

「40度の熱が出て何日か朦朧としていた。日本から持っていった薬とか飲んでいたのだけれど全然効かなくて、這うようにして病院に行って薬を処方してもらったら、2時間で治った。逆に怖い」

カルカッタの先生から、約一年ぶりにタブラのレッスンがあった。言われたことはただ一つ。"音が小さいから、肉を食べたりミルクを飲んだりするといいよ☆"オレ、うまくなれるかな」

などの笑えるツイートと、現地の写真がインドの楽しい生活を彷彿とさせる。


意外なことに、ケラケラ笑うだけの本かと思ったら、最後のハナレグミ×U-zhaan七尾旅人×U-zhaanの対談が面白かった。多くの人が、インドを始め、海外に自己変革や大きな物語を目的にするのに対し、U-zhaan氏は徹底的に現実を見ていた。「現実を見る」といっても、ただシビアに受け止めるとかそういう単純な現実ではなく、出会うものをわざわざ大げさに受け止めたり、大きな物語に収斂させようとしない、強い自己が形成されているのを感じた。


こういう人を本当の「大人」というんだと思う。つぶやきの面白さもきっとこういう強い自己がベースにされているからこそ多数の共感を呼ぶのだろうと思った。


そして、「本当の大人」とかタイトルに入れちゃう自分が一番子供っぽかったり。いいんだ別に、俺子供でも。


U-zhaan氏ホームページ。音楽がダウンロードできます。↓
http://u-zhaan.com/dl/dl.php


ムンバイなう。 (P-Vine Books)

ムンバイなう。 (P-Vine Books)