「職業データベース」はどう使われるべきなんだろう。
ネットに超クールな“職業データベース”が出来つつある
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20110126
を読んで。
そういえば小学生の頃、将来の夢は?とか将来なりたい職業は?と聞かれて、ブルーカラーの父親の職業らしき仕事がしたいと言ったら、志が低いと母に怒られたことを思い出した。今思うととんでもなく失礼な話だ。
当時はバカだったので(今ほどではないが)、「ファミコンのゲーム作る人!」と言わないことで空気を読んだ答えをしたつもりだった。母親はテレビゲームを目の敵にしていたので、それは言えないと思ったものの、配管工のおっさんの操作以上に得意なものなどなく、職業など片手で数えるくらいしか知らなかった。『ピコピコ少年』状態である。
成績のいい友人が、弁護士になりたいと言っていたのを引き合いに出して怒られたのだが、弁護士なんて名前を聞いたことがあるくらいで何をする人なんだかわからなかったし、親や先生など身近な人の職業だって、仕事の内容として具体的にどんな作業をしているのかわからないので、「◯◯になりたい!」だなんておこがましいようで言えなかったのだ。
上記記事が言うように、「職業のデータベースとしてのネット」か、もしくはせめて「やる夫」の記事が読める環境にあれば、あの時の自分は、自分が心から納得し、母親は喜び、父親には嫌な思いをさせず、周囲から応援を受けられるような職業を答えられたかもしれない。
やる夫関係がまとまってるページ↓
http://crescentmoon.gozaru.jp/yaruo.html
それはそれだけで大事なことだが、しかしそれは職業選択の全てじゃない。
羽生善治の「高速道路論」じゃないけど、整備された職業の道自体に意味はない。ただ整備された道をゆくだけではその先の渋滞に苦しい思いをさせられることもあろうと思う。
職業は、バイキングみたいに提示された中から、「お好きな物をお選び下さい」「んではコレにします」ってものではない。大事なのは、「自分は社会のみんなに対して何をするべきなのか」を知ることだ。
全ての職業から選んだと思い込んで、その職業以外の出会いを捨てたりするようなことになったら、それは悲しいことだ。
人間関係のためだけに、やりがいのある仕事を捨てることも悲しいことだ。
上記記事のいう「職業データベース」としてネットを利用することは素晴らしいことだと思う。編集を経ている確実で効率的に加工された情報ではないとはいえ、圧倒的な情報量はそれだけで価値がある。
ただ、それが本当に素晴らしいものとして利用されるためには、その子供の周囲にある「小さな社会」が、彼・彼女たちに対して「大きな社会」を、理屈だけでなく実感を伴ったものとして感じさせられるかどうかが大事なんだと思う。
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