面白い話1

昔々あるところに中のよい正直者の兄弟がおりました。
ある日彼らはいつもの日課どおりロバに荷物を載せ街に行きました。
そして街で荷物を降ろして岐路に付く途中の出来事でした。
家路に向いしばらく歩いていると、一人の旅人が向こうから歩いてきました。
その旅人が兄弟に向かってこう言いました。
「要領の悪い兄弟だな。ロバに何も乗っていないなら誰か乗ればいいじゃないか。」
確かにそういわれてみれば・・・。
弟が「お兄さん先にのりなよ。」といい、まず兄がロバに乗ることにしました。
しばらく歩くと2人目の旅人がやってきてこういいました。
「兄のクセに自分ばかり楽して弟を歩かせるなんて愛情の無いやつだ。」
そういわれ兄は急いで降りて弟をロバに乗せました。
これで文句無いだろうと歩き出しました。
3人目の旅人と出会いました。
「弟のクセに偉そうに。年上を敬う気持ちはないのか。」
弟はすぐにロバから降り、兄弟でどうしたらいいか話し合いました。
「じゃあ二人で乗れば誰も文句言わないだろう。」
そして二人でロバに乗り歩き出しました。
そこに4人目の旅人が現れました。
今度こそ何も言わないだろうと思っていると、旅人は「小さなロバに2人も乗り動物がかわいそうだと思わないのか。」
・・・。
兄弟は恥ずかしそうにロバから降りどうしようかと考えました。
残された道は唯一つ。
そして兄弟はロバをかついで歩き出しました。