正しいマンガ−『テルマエ・ロマエ』

テルマエ・ロマエ』の素晴らしい書評は以下↓
ヤマザキマリテルマエ・ロマエ』:
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/thermae-romae.html


テルマエ・ロマエ』は風呂限定で現代日本へタイムスリップしてしまう古代ローマの浴場設計技師の話。
この設定の新しさがミソ。ただの職業マンガではなく、タイムスリップを利用して、現代の技術を浮かび上がらせるとともに、過去の技術を紹介してくれる。


以前紹介した『マンガ脳』という本によると、うろ覚えですが売れるマンガには「新しいこと」「予測する楽しさがあること」「右肩上がりの安心感があること」という要素が重要らしいとのこと。
テルマエ・ロマエ』には
「新しいこと」→タイムスリップ風呂マンガという設定
「予測する楽しさがあること」→主人公が現代日本の入浴技術からどんな要素を引き出すのかという予想
「右肩上がりの安心感があること」→古代ローマに戻って未来の技術を実装して評価されるという完成されたパターン。


以上の要素を完璧に満たしています。まさに正しいマンガ。

関連記事:私はプレグナンツの法則ドーパミン型のマンガが好きらしい−『マンガ脳』
http://d.hatena.ne.jp/kojitya/20100420/1271716363


ちなみに「マンガ大賞2010大賞」「手塚治虫文化賞短編賞」と、続々と賞を得ている模様。

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)