編集能力−『野ばら』『彼女の想いで・・・』

素晴らしい書評は以下↓
『野ばら』
[読んだ][comic] 「野ばら」/高田築
http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20100819/p1

『彼女の想いで・・・』
唇の端を歪めてわらう 大友克洋『彼女の想いで・・・』
http://pecosmile.blog.shinobi.jp/Entry/274/

編集の定義をザックリと言って、「あるテーマ、表現したいもの等に対して、情報を効率的に伝わるよう過不足なく配置すること」とすると、この2点のマンガは完璧な編集をされていると感じる。


どちらも短編集で、コメディからホラーまで、多彩なスタイルを描き分ける上、それぞれ、何を表現したいのかがクッキリと縁取りをもって伝わってくる。マンガで出来のいいショートショートを読んでいるような感覚で非常に心地良かった。


ちなみに大友克洋の方は、『AKIRA』の前身となる『FIRE‐BALL』という作品が収載されている。この作品だけ編集された完成度を感じなかった。と、思っていたら、だからこそ改めて『AKIRA』が描かれたとの事。今回の自分の感想文のテーマとはちとズレるけども、この『FIRE‐BALL』という作品もオススメ。名著『AKIRA』に繋がる力強い演出が必見です。


マンガはエンターテイメントだけでなく、表現の道具であることが伝わる2冊。「かわいー、こえー、ゲラゲラ、ほほぉ」なんかが詰まってます。

野ばら 1巻 (ビームコミックス)

野ばら 1巻 (ビームコミックス)

彼女の想いで…大友克洋短編集(1) (KCデラックス ヤングマガジン)

彼女の想いで…大友克洋短編集(1) (KCデラックス ヤングマガジン)