読んで楽しく、使って便利な素敵本。−『名文どろぼう』

素晴らしい書評は以下↓
『名文どろぼう』
http://blog.goo.ne.jp/miguel_chan/e/729384b8c2d9c8f5d8e255683eb76a1a

お固い翻訳書を読むとほぼ必ずといっていいほど、内容と絡む詩や短文が最初に入るものです。

そんな感じでサラッと名文を引用できると教養感たっぷりなので僕も身につけたいと思い、ココにいくつか、どろぼうからどろぼうしたいと思います。

いい人と歩けば祭り
悪い人と歩けば修行
――小林ハル山折哲雄「『歌』の精神史」、中公叢書


(嫁が旦那をネタにした川柳)

ネクタイを上手に締める猿を飼う
――森中恵美子(田辺聖子「川柳でんでん太鼓」、講談社文庫)


(小学一年生が作った、お父さんについての詩)

「おとうちゃん大好き」
おとうちゃんは
カッコイイなぁ
ぼく おとうちゃんに
にてるよね
大きくなると
もっとにてくる?
ぼくも
おとうちゃんみたいに
はげるといいなぁ
――おざわたかゆき(読売新聞<こどもの詩>一九八七年六月二十五日)

欲深き人の心と降る雪は つもるにつけて道を忘るる
――落語「金夢」(「古典落語 圓生集<下>」、ちくま文庫


(五歳児の詩)

「かさ」
(お店やさんごっこをしていて)
これ(かさ)は
あめのおとが
よくきこえる きかいです。
――大阪日向子 宮城・五歳(川崎洋編「おひさまのかけら」、中央公論新社

琴になり下駄になるのも桐の運
――川柳(浜田義一郎編「江戸川柳辞典」、東京堂出版

この他にもたくさん美しくて有用な言葉があります。


例えば結婚式当日に雨が降った際のスピーチで、「あいにくの〜」なんて言葉ではなく、また「雨降って地固まる」みたいな使い古された言葉でもなく、気の利いた言葉で皆をハッとさせたり、笑わせたりできたらカッコイイと思いませんか?そんな言葉もあります。


日常をちょっと楽しくさせる言葉、あなたも盗んでみませんか。

名文どろぼう (文春新書)

名文どろぼう (文春新書)