紙本vs電子本
気になる話題。
http://d.hatena.ne.jp/tempai/20090516/p1
電子BOOKが書籍を駆逐するのか?という話題。
自分のためにまとめておこう。
元エントリの著者は「電子書籍デバイスが「ビジネス的に」紙書籍デバイスに取って代わる時が来るぞ!」といいたいのだと思います。「ビジネス」の所重要。元エントリの著者はのっけに出版社CEOのスピーチ(?)をもって来ている所からして、演出として「亡くなる」という表現を使っているだけで、具体的には、圧倒的にメインのデバイスが電子書籍になるのでは?と言いたいんだと思う。・・・ということで、このテーマでイメージしてみる。
とりあえず、コメントで指摘している方も多いのですが、元エントリに時間に対する記述がないのはちといかん。ので、時間を切ってみる。
「」内全て、元エントリのコメントの引用
◆数年単位(デバイスの技術レベルがkindleレベル)◆
<本は亡くならない系のポイント>
a,「ページをパラパラとめくる楽しみや印刷された紙の味わい」
b,「一度に複数の情報を簡潔且つ簡便に閲覧出来る」
c,「書籍はまだ所有することに価値を感じられる媒体」
d,「文化的価値が存在」
e,「データの規格統一、解像度、電源といった問題」
f,「コメントしたり線を引いたり、寝転がって読めたり。」
g,「紙の本による絵本や教科書に依存している現状をどうにかしない限り、物心が付いた頃には、紙の本>デジタル書籍という価値観が染みついてしまいます」
h,「重み、質感等、単に情報を伝える以上に、情緒的な部分が非常に優れている。」
i,「低い技術レベルで作ることができる。頑丈」
j,「装幀等に対する価値」
k,「「そのまま読める」と「電気が無ければ読めない」の違いは大きい」
l,「作家先生たちのおまんまのタネとりあげるわけにもいかないから。」
m,「飛び出す絵本は紙にしか出来ないですよ。」
n,「本を読むときや辞書でモノを調べるときの、「寄り道」する楽しみ」
o,「紙じゃないと頭に入ってこない」
p,「携帯性・可読性ともに大変優れている」
q,「物質として所有する喜び」
r,以下のエントリより
http://blog.pasonatech.co.jp/mitani/102/10521.html
「どれだけ読んだかという視覚や触覚から得られる情報」
<本は亡くなる系のポイント>
A,「(紙の書籍は)いかんせん場所をとりすぎる」
B,「たどり着けない情報を持っていることほど、馬鹿馬鹿しいことはない。」
C,「新聞や雑誌は明らかにネットで情報を所得したほうが便利ですし紙も邪魔にならない」
D,「紙は任意の単語で検索とかできねーし」
◆数十年単位(デバイスの技術レベルが※1※2※3レベル?)◆
※1「ホログラムが実用化」
※2「電子ペーはの値段が下がって、電子ペーパ100ページとかで束ねられるようになれば、パラパラめくる間も再現できるだろう。用途に合わせて300ページ、500ページの本メディアを買って、本棚サーバからダウンできるようにすればいいぢゃんと思う。」
※3「SF映画であるような立体映像や空間認識のドキュメントが出来たとしてもそれが便利なのか?不具合は無いのか?」
上記の技術レベルを前提に考えて、<本は亡くならない系のポイント>から、除外されるポイントは、aの「めくる」の点,b,eの「解像度」の点(?),f,j,m,n,r,p
残るポイントは、aの一部,c,d,eの一部,g,h,i,k,l,o。まだまだ紙、イケそう。
でもやはり、dankogai氏が
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51214980.html
で言ってるとおり、「場所とる」っていうのはかなり大きなポイント。自分も場所についてはかなり悩んでるし。元ネタであろう、
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0905/14/news028.html
の記事で、「書籍は依然安価な買い物」とか言っているが、貧乏で広いスペースのない私のような人間は、「置き場所」の意味で本を買うのが非常に悩ましい。
このぐらいの頃になれば、紙本と電子本は相当な住み分けが進んでいそう。辞書・図鑑類は当然として、わからない単語を即検索したい専門書なんかも電子化されそう。価格も高いし、重くて日々携帯できないから、軽・薄・安になって、電車で読めたりしたらうれしいなぁってよく思うもんな。
◆数百年単位(デバイスの技術レベルが「電脳化」レベル?)◆
直接脳に情報を送るっていう、アレですね。「攻殻機動隊」とかの。「岸和田博士の科学的愛情」にも出ていたような。情緒的な感覚も再現できると仮定。(←この設定に根拠なし)
追加で<本は亡くならない系のポイント>から除外されるポイントは、a,c,e,g,h,k,o。
残るポイントはd,i,l。んでlについては制度の話なので、解決されているとする。
この辺になると紙はかなり厳しそうですな。
しかし、技術レベルの進歩スピードのイメージにまったく自信がない。理系、特に工学的な感性がまったく乏しいことが発覚。w
超黒い物質の話
http://wiredvision.jp/blog/yamaji/200905/200905191101.html
を読んでも、ジャックロンドンの『火を熾す』の中の『影と閃光』を思い出すばっかりで完全に脳内が文系化している。高校までは理系の科目の方が得意だったんだけどなぁ><;
結論。
もちろん技術の話がからっきしな私のバイアスがかかった話だけれども、前出の出版社CEOの話は、まだ、「ビジネスとしての危機感を持って具体的な対策を」っていう段階にいないから出た言葉では。元エントリの人のツッコミは、ただ悠長なセリフにカチンときただけなのではと思う。確かにやる気の感じられるセリフではないよね。紙でできることもいっぱいあるだろうに。。。
しかし、kindleみたいに、本を電子化するばっかりじゃなくて、電子データを本に表現する方向に技術を使ってもいいんじゃないかと思う。例えば、ドラゴンボールのスカウターみたいなのを目につけて、目線の行っている単語に対応する画像を検索して引き出してくれたりとか、目線でwiki検索できたりとか、地名なら地図が出てきたりとか。あと幸せな住み分けとして、でかい本なら紙本と電子本をセットで売って、移動中の読書をサポートして、読後は電子だけ取っておくようにできたりとか、書店で自動書評検索デバイスを置いたりとか、自動ルビ振りメガネでお子様の読書を快適に!!とかどうだろうか。ダメかw