アナロジーにはなぜ快感があるのか‐『失敗は予測できる』

まず素晴らしい書評を2つ
http://kamawada.com/~masanori/blog/2009/03/post_728.html
http://blog.goo.ne.jp/onscreen/e/59cf332173aa05595c2a99daed27c726

特に「思考の昇降運動」という考え方が興味深かった。
本書の「思考の昇降運動」に着目している書評↓
http://gomborhythm.blog4.fc2.com/blog-entry-10.html

私はdankogai氏の書評が好きで、しょっちゅう氏のブログを覗いているのだが、いったい何故こんなに面白いのかを突き詰めて考えてこなかった。しかし、よくよく考えてみると、氏の書評は、常に素晴らしいアナロジーが披露されていることに気が付いた。どうやら私は常々、氏のアナロジーを味わうために書評を読みに行っていたようだ。
しかしなぜ、こんなにも快感があるのだろうか。
そのヒントは本書に書かれている、「思考の昇降運動」にあった。これは、文系的にいう、アナロジーと同じような認知技術(?)と読める。wikipedia:類推
「表現技術として、アナロジーが快感に感じる」というのは、物事を一般化することによって、対応範囲・適用範囲を広げれば、サバイバルに役立つことを生得的に知っている人間という動物の、本能が刺激されているからなんではないだろうか。
本書には、「思考の昇降運動」がいかに実際的に役に立つかが紹介されている。
本書を読んで、理系のアナロジーの快感も味わって欲しい。

失敗は予測できる (光文社新書)

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