動物観察は己を知るため−『先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!』

素晴らしい書評は以下↓
先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!:
http://ikadoku.blog76.fc2.com/blog-entry-631.html
先生、シマリスがヘビの頭をかじっています!:
http://www.keibunsha.net/column_heian/detail.php?id=23
シマリスの蛮勇?(『先生、シマリスがヘビの頭をかじっています』小林朋道著):
http://kaorunokimi.at.webry.info/200902/article_11.html


このSSA(Snake-Scent Application)もしくはモビングと言われる行動って、人間にもあるんじゃないかと思う。
例えば、『Discover Japan (ディスカバー・ジャパン) 2010年 06月号』には松岡正剛が「霊力」の解説にこんなことを言っている。

これは世界中そうなんですが、怖いものが敬われる。たとえばイノシシのアクセサリーをつけている民族にとっては、イノシシは敵で、怖いもの。だからその怖いものを身につけることによって、自分が強くなれると考えている。お化粧もそうです。コンドルが怖ければコンドルになり、蛇が怖ければ蛇になる。


本書の中で著者は常に、動物行動学の中で知ったこと、発見したことを自分や人間一般に置き換えてみたりする。その逆もしかり。動物について何かを表現する時も、読者に人間的なニュアンスを感じさせる表現を使う。これは著者の意識が常に動物と人間の垣根を飛び越えて行ったり来たりするからだろう。


人間はもちろん動物なのだが、他の生き物との差を知り、共通点を知ることによって己を知ることが動物行動学なのかもしれない。

先生、シマリスがヘビの頭をかじっています! 「鳥取環境大学」の森の人間動物行動学

先生、シマリスがヘビの頭をかじっています! 「鳥取環境大学」の森の人間動物行動学

Discover Japan (ディスカバー・ジャパン) 2010年 06月号 [雑誌]

Discover Japan (ディスカバー・ジャパン) 2010年 06月号 [雑誌]